なんでも屋 神…最終幕
水色の空を小走りで過ぎ行く小さな雲と、その後ろを追いかけているような大きな白雲。



その姿が、両親からのストレートな愛情を向けられ、照れて逃げ回っている千里に見えて、なんだか可笑しく見えた。



一度離れた心の距離は、中々縮まってはくれないだろうけど、お互いの心が向き合っていれば、徐々にその距離を埋めていくだろう。



「あれ?もしかして、これからバーベキューでもするんですか?」



俺の手元に視線を落とした優香が、如何にも羨ましそうに尋ねてきた。



「まぁ、そんなとこかな?」
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