子供+大人=恋?の方程式(応用編)
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車を運転して約二時間。
片田舎にある母さんの実家の前まで着いた俺は、母さんと父さんを車から降ろすと、実家の前にある空き地に車を停めた。
それから、一応来てないとは思うが、メールをチェックしておく。
案の定、茅乃からのメールは来ていなかった。
ハァ…と一つため息を吐いていると、コンコンと車をノックする音が聞こえてきて、俺は顔を上げた。
そこには、にっこりと笑みを浮かべながら手を振る女の子。
一瞬、誰だと思いながらも、記憶を手さぐりに探しだし、浮かんできた顔にこの子が誰かを思い出した。
その正体は俺の二歳下の従兄妹である、母さんの兄の娘である門倉(かどくら)あゆだった。
「久しぶりだな、あゆ…」
車から降りて、ロックをかけながら俺のことをジッと見てくるあゆに声をかけた。
かれこれ、会うのは三年ぶりぐらいになるかもしれない。
自分の中にあるあゆの記憶からは、かなり成長していたけど、面影は残っていたからよかった。
「うん、久しぶり…」
頬を赤く染めながら、あゆは不思議そうに車を見てくる。