追憶の緋月桜

緋と桜と月



緋が視界を染める。




風が、揺れる度に
緋も、舞い散る



真っ赤な月が夜に浮かんで、
緋い影を創る。



2つの、影を。






―――ねぇ、なんでかな。



「緋桜、愛してた。」


1つの影が愛を綴り、もう1つの影が闇に消えた。





交わることの無かった、絃が交わって。



複雑に絡む。



例え、死に染まるとしても。



私は貴方を愛してた―――。





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