催涙雨
「海…?」
『なに?…恭ちゃん。』
あたしの顔に浮かんだものは
薄っぺらい作り笑いだ。
それを悟ってか恭ちゃんは
やっぱりなんでもないと
あたしから視線をずらした。
空元気───だと
言われるかもしれない。
でも、こうでもしなきゃ…
いま笑顔でいれなきゃ…
これからさき
…笑って生きてけない。
いまだけじゃないから。
これからも、ずっと…
この悲しみに耐えなきゃ。
耐えられるようでなきゃ…
葵との未来…
なんて
やってこない。