催涙雨
『ほんとに…葵…?』
「なに泣いてんの。俺だよ。」
どうして?
なんで葵がここにいるの?
その言葉はあたしの涙に埋まり
聞くことができなかった。
『あ…おっ……ぃ……』
「なに?」
再度ベッドに乗り
あたしを見つめる葵の瞳は
また涙を誘うほど
やさしかった。
『…っ……う……』
はあっと大きなため息を漏らし
葵はそっとあたしを抱き寄せる。
ぽすっと葵の胸に収められた。
「…まだ、泣くなよ。」
そんな甘い囁きは
ぼやっとした脳内に
小さく響いた。