催涙雨




冷たい雨のあとには
爽やかな青空が広がる──。




こぼれ落ちる涙も止まり
頭に冷静さが戻ったあたしは
疑問をそっと口にする。



『どうして…葵がいるの‥?』



「何。俺に会いたくなかった?」



そんなことないと即答し
葵が消えてしまわないように
葵の背にきつく腕をまわす



『帰ってこないはずじゃ…』



「帰らないとは言ってないけど」



言ってないって…
あのメールじゃ絶対に
勘違いするよ…。

あ、そうだ───‥。



『葵…あの、プレゼント…
まだ届いてないの…。』



宅配業者さんで手違いが
あったんだと思うって
言おうとしたのに───‥



「ああ。まだ送ってねーもん。」



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