[改良版]小学生と暴走族【夜桜】
赤はにやりと笑った。
「ききたい?
青の過去」
俺と櫂は言葉が出ない。
たしかに聞きたいが、それは青の心の中に勝手に入ってしまうようなものだ。
「……やめとく。
青が自分から話してくれるまで待つ」
こう言うと、赤は意外そうな顔をした。
「そうかぁ。
じゃぁ、これだけ教えといてあげる。
青の兄貴は、さっき君が行ったとうり
元全国№1の族、紅葉の総長[真田 琉維(サナダ ルイ)]だよ」
やっぱり……。
「もう知ってると思うけど、琉維はもう、この世には……いない」
それだけ言って、赤は静かに目を閉じた。
そして、再び目を開いた時には、青の表情に戻っていた。
「青……」
青に伸ばした手。
その手はパシンと音を立てて振り払われた。
「ぁ……」
青は一瞬不安そうな声を上げた。