cafe au lait



「十和子、毎朝あの店に通ってるのか?」


 車から降りようとした。けれど運転席の遥斗に鍵をかけられてしまい、扉が開かない。


「遥斗、ドアが開かない」


「あいつワールドチャンピオンシップに出た天才バリスタなんだろ?」


「え?」


「知らないのか?」



 遥斗が少し驚いたような顔をする。


「知らない……あまり会話はしないから」


 それから安心したようにため息をつくと、そっか、と呟いた。



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