誠の紅桜に止まる蝶~土方目線~
俺らが広間に行くと皆うつむいていた。

いつもの騒がしさが嘘みてえだ。

新「土方さん!!蝶の様子は!?」

土「油断ならねえな。今沙織が必死に癒しの力で癒しているがまだ血が止まらねえ。」

新「くっそ!!でも沙織が今癒しの力で癒してるんだろ!?」

土「ああ。でも沙織も今にも倒れそうな状態だ。その中で今必死に蝶を癒している。」

沖「無理もないね。沙織はさっきまで戦場で戦いながら隊士たちや僕たちの傷を癒していたんだからね。」

土「ああ。」

先日まで規模は小せえが戦が起こっていた。

俺らも幕府の命令で数十名の隊長と隊士がその戦に参加していた。

実際、まだ数名の幹部や近藤さんや山南さんはまだ戦の後始末に追われて屯所に居ない。

この戦のせいで新撰組は人手不足になり夜の巡察も人が少なかった。

一「つまり、蝶が生きるか死ぬかは沙織の力次第ということですか?」

土「ああ。」

その言葉に全員の表情が曇る。

原「くっそ。こういうときに俺らの誰かが癒しの力を使えれば!!!」

「ばあか。癒しの力は限られた奴にしか扱えねえんだよ。」

声がする方をみると一人の男が立っていた。

土「お前、龍王じゃねえか・・・」

そこには沙織の守護神龍王が立っていた。

龍「久しぶりだな。土方。それにお前ら。」

原「なんでお前がここにいるんだ?」

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