ハスキーボイスで酔わせて


暫く走った高速を下り、車の通りが少ない国道を走ると、

辺り一体を山で囲んだ小さな田舎町が見えてきた。



「…ここは?」

見渡す限り一面に畑があり、ポツ、ポツと昔ながらの古い家屋が建つ。



都心のような煩い雑音も雑踏も無く、

蝉の声が合唱のように響き渡っている。


春樹さんは迷うことなく走り続け砂利道が続く獣道を通り出した。





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