ハスキーボイスで酔わせて


数分後、車は舗装されていない道の路肩に止まった。


「さ、着いた」


春樹さんはサングラスを外し車から降りると、
後部座席から花束とビール、水などが入ったビニール袋を取り出した。


「…春樹さん?」

「さ、彩も一緒に行こう。紹介したい人いるんだ」



車から降りた私に笑いながら手を差し出してくれる。


私は少し複雑な思いを抱えながらもその手を取り、
一緒に砂利道を歩き始めた。


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