ハスキーボイスで酔わせて


数分後、磨かれて綺麗になった墓石に墓花が備えられ、
口が空いたビールに香炉には煙が立ち上る線香が置かれた。


「ピカピカになりましたね」

「年に数回しか来れないからな。やるときはしっかりやっていかねぇとバチあたりそう」


私の言葉に春樹さんが冗談混じりで返す。


その目はいつになく優しい表情で、
心なしか嬉しそう。



自分の親に会えるんだもん、誰だって嬉しいよね。


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