ハスキーボイスで酔わせて


遠い目で見つめる先にはどんな思い出があるんだろう。


「…っ」


何だかその哀愁漂う姿を見て無性に切なくなり、
私は春樹さんの胸板にぎゅっと抱きついた。




「…いつか本気で大切にしたいヤツが出来たらここに連れてくるつもりだった。夢の続きを親に伝えたくて」

「夢の続き?」



前をジッと見据えながら私の頭を撫でる。

温かい手の温もりを感じながら、私は春樹さんを見上げた。

< 176 / 316 >

この作品をシェア

pagetop