ハスキーボイスで酔わせて


「歳上の人?」


何のヒントもなくズバリと言い当てた母親に、
私は驚きを隠せない。



「何でわかるの!?///」

「わかるわよ~それぐらい。彩は私にそっくりだもの」


ーー言われてみれば、お父さんとお母さん十歳離れてるもんなぁ…。


はい!出来た!と母親が最後に帯を締め上げ、
着付けはあっという間に終わった。


姿見には髪型と浴衣が見事に合った自分の姿が写っている。


その光景を温かい目で母親は見守っていた。




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