ANOTHER
タバコの火を灰皿に押し付けて、手に持っていた缶ジュースを一気に飲み干した。
深いため息をついて、真歩もテラスを後にした。
その日の講義はずっとあいつのことが頭から離れなかった。
忘れようと思っても、繰り返しあいつの姿が思い出されるのだ。
モヤモヤとした気分が晴れないまま、放課後を迎えた。
今日は友達の七海と飲みに行く約束をしていた。
高校時代からの友達で、なんとなく気の合う友達。
それが七海だ。