ANOTHER
いつもの待ち合わせ場所の掲示板の前に来たのは、30分程前。
待ち合わせの時間から20分過ぎた頃、息を切らしながら走る七海を見つけた。
「真歩!!!ごめんね。講義が長引いちゃって」
七海の呼吸が落ち着いたのを見計らって、学校を出ることにした。
向かう先は駅前の小さな居酒屋。
黒を基調としていて落ち着いた雰囲気の店内は、小物もひとつひとつが落ち着いていてご飯も美味しい。知る人ぞ知る穴場というわけだ。
「ねぇねぇ、真歩は何食べたい?」
七海が楽しそうにメニューを眺めながら真歩にもメニューを差し出した。
「七海は何が食べたいの?」
そっとメニューを受け取って、開かずにテーブルに置いた。