千の夜をあなたと【完】




――――絶対にあの男を見つけてみせる。


地の果てまでも、地獄の果てまでも……。

あの男を見つけるためなら、自分はどんな苦労も厭わないだろう。


あの男に報復するまで、自らの心に安息はない。


「レティ……」


呟きは北風に乗って消えていく。

イーヴは唇を噛みしめた。


もう自分の魂はレティの墓に一緒に入ってしまった。

自分は生きる屍なのかもしれない……。


けれど……それでも、しなければならないことがある。

そして、それをする以外に……生きる理由はない。


イーヴは黄昏に染まる空を見上げた。

その胸には、三つ葉のペンダントが揺れていた……。



<***>



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