神様さえも朽ちらせる忌わしき呪物

 「マスター、無礼をお許しください。ミッシェルさん。私はシャクナ・ミルキーと言います」

 シャクナはジッとミッシェルの手を掴んだまま動かない。

 「シャク、どういうつもり?」

 ロキが不服と言いた気に右膝を立てた。

 「ミッシェルさん。マスターは高貴な出なのです」

 そこまで言われれば学のないミッシェルでもわかった。

 貴族だから、ミッシェルのような身分の低い者が触れていいはずがないと。

 遠まわしに言われ、ミッシェルは掴まれていた腕を離された。

 「…ごめんね、ミッシェル。シャクは心配性なんだ」

 よしよしと落ち込むミッシェルの頭を撫でるロキに、ガビンと効果音が付きそうな程に落ち込むシャクナ。

 
 
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