神様さえも朽ちらせる忌わしき呪物
ミッシェルから見て、シャクナはひん死の状態だった。
どこをどう切られているかなんてわからないが、全身血塗れ、いたるところから出血し、口からも血を吐く。
重症でないはずがない。
それでも、真横に立っていた龍雨は平常心のまま、特に心配するでもなく立っていた。
「…っ、マスター、お手を汚したくありません」
咳き込むシャクナを支えようとしたロキに、シャクナは抵抗を見せた。
「わがまま言わない。ほら、手をとって」