神様さえも朽ちらせる忌わしき呪物

 「…逃げようっ」

 シャクナの呟きを思い出し、恐怖ですくむ足に渇を入れ、ミッシェルはロキを見た。

 「なぜ」

 「なぜって」

 目の前では血に濡れた光景。

 殺しの連鎖。

 刺されては向かい、弓撃っては死にの連鎖。

 終わりはどちらかが全滅するまで。

 負けると思った。
 
 こちらは龍雨とシャクナ。
 
 あちらは数十の兵士。

 馬に剣に弓。

 勝てないと思った。

 それに、ミッシェルでは足手まといになると。



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