神様さえも朽ちらせる忌わしき呪物

 「…まったく、あの人は」

 剣を握りなおし、龍雨は瞳を細めた。

 「我らの気持ちをちっともわかっていない」

 死なれては困る。

 守りたいのだ。命を張っても。

 例え自分が死んだとしても、彼さえ生きていてくれればそれでいい。

 それ程に守りたく、守らねばならぬ存在。

 だから、早々に逃げろと言っているのに。

 「ちっ」

 舌打ちした龍雨が兵士達に突っ込んで行く。

 戦いにおいて、恐れるは負けと同じ。

 一に対して十だろうが百だろうが、心では勝てると思っていれば、勝利はある、と思う。

 

 
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