キウイの朝オレンジの夜
稲葉さんは一度起き上がってパッパとシャツを脱ぐ。あたしは、彼の顔と同じく整った素敵な上半身をガン見してしまった。無駄のない肉つき、滑らかな肌。意外にある胸筋に見惚れる。
「俺に見惚れてないで、神野も脱いで。――――――いや、いいや、剥きながら抱こう」
言うや否やあたしに覆いかぶさり、手際よくあたしの服を脱がせる。
「きゃあ~!い、い、稲葉さーん!」
「乱暴したくないんだ。協力して」
あっという間に服も下着もどこかへ飛ばされて、あたしは熱い体を受け止める。
両手を使ってあたしの全身を触る。その心地よさに恥かしさも消える。
稲葉さんは本当にガツガツとあたしをむさぼった。
声は喘ぎにしかならず、あたしは上に下に転がされて、彼の好きなように操られ、ただ気持ちよさに溺れていた。
男の人とこんなことをするのが久しぶりなのに、あたしは初めから妖婦のように反応をしてしまう。
彼の指が触ったあとが焼けどのように燃え上がる。焦らされたわけでもないのに涙を落として懇願する。
目を開けると霞む視界の中で稲葉さんが切ない瞳であたしを見ている。それだけで、達するかと思った。
「・・・神野」
キスの合間に彼が言う。
「・・・そんなに締め付けたら、もたない」