ペーパースカイ【完結】
〈e〉苺:ハプニング・ランニング
一瞬、輪子ママに見えてドキっとした。

エプロン姿で洗濯物を干していた輪子。

もともとそっくりな親子だったけど、こんなにも似てると感じたのは、初めてだった。

玄関のドアを「いらっしゃい」って開けてくれた時も。

「輪子さん…ちょっと痩せた?」

「そう?変わらないと思うけど…」

「…昨夜さ、聞いたんだ。あの…いつも一緒に来てた子。

中尾さん?だっけ」

「あぁ…長尾さん、よ」

「あ…そっか」

「うん」

あたし、輪子が淹れてくれたアイスコーヒーを飲みながら、

ずっと黙って二人の会話を聞いてた。

なんだろう?この雰囲気。

会話と会話の間の長さ。

まるで、何かもっと他の事を話したいのに、言い出しかねている…

みたいな。そんな感じ。

なんだろ?

うーーーーーーーーーーーーん………
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