金色の師弟

もっともなディンの疑問に、ノルンは肩を竦めた。

「アデルの剣技は私たちのような倒す剣じゃなくて、身を守る剣なのよ。弓兵のルイに必要なのは、アデルの剣技だわ」

「あぁ……」

ノルンの言葉に、ディンは納得した。

弓を武器とするアデルにとっては、剣は敵を倒すものではなく自分の身を守るもの。

もしも弓が使えなくなったときに、何も出来ないのではいざというときに困る。

「私が教えようかと提案したんだけれど……。アデル、彼女を誰にも渡したくないみたい」

ノルンはくすくすと笑いながら目を細めた。

冗談めいた物言いに、ディンはどう答えるべきか迷う。
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