☆消えてしまったわたしの赤ちゃん☆14歳の妊娠・・・ ~セックスを軽く考えないで~
わたしには、院長が由衣に伝えようとしている言葉の意味が、よく理解できた。


どちらを選択するのか・・・。


これはわたし自身が、かつて直面したことだったから・・。


そしてその結果は、今もわたしが抱えつづけていることだから・・・。



医院から出たあと、わたしたちは三人で、由衣の家に行くことにした。


由衣の家は、医院から歩いて行ける距離にあった。


由衣の家にたどり着くまで、わたしたちはあまり言葉を交わさなかった。



由衣の家には誰もいなかった。


由衣の両親は仕事で、今の時間帯は家にはいなかったからだ。


わたしたちは居間に行き、テーブルを囲むようにして座った。



「それで、由衣はどうしたいの・・・?」

 最初に梓が口を開いた。



「わたしは・・・、」


由衣は小さな声で言った。


「やっぱり・・・、産みたいと思う・・・。

妊娠したかもしれないと思ったときは、どうしようって思ったけど・・・、でも今日産婦人科に行って、この目で赤ちゃんを見て・・・、やっぱり産みたいって思ったの。

赤ちゃんができたことを、嬉しいって感じたの。」


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