☆消えてしまったわたしの赤ちゃん☆14歳の妊娠・・・ ~セックスを軽く考えないで~
剛はわたしの髪をなでながら、繰り返しわたしにこう言った。


お母さんが悲しみ、苦しんでいるときは、赤ちゃんも辛い気持ちになるよ。


お母さんが泣いているときは、赤ちゃんも泣きたくなるよ。


お母さんが幸せなときは、赤ちゃんも幸せな気持ちになるよ。


お母さんが微笑んでいるときは、赤ちゃんも微笑みたくなるよ。


赤ちゃんはどんなことがあっても、お母さんのことが大好きだよ。


お母さんの幸せを、赤ちゃんは天国から願ってくれているよと。



悲しみを乗り越えることは、悲しむことよりもずっと難しいことだと思う。


笑顔を見せることが、涙を流すことより難しいように。


でも美幸のためなら・・・、きっと可能なはず・・・。



もしもわたしが美幸の立場だったら・・・、


やっぱりお母さんには幸せでいてほしいと想うから・・・。




美幸の命日、わたしは窓辺を花でいっぱいにし、たくさんの甘いお菓子と飲み物をお供えした。


そして美幸のためにオルゴールを鳴らした。


オルゴールの音色を聞きながら、わたしは引き出しから美幸のエコー写真を取り出し、写真を見つめた。


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