Together~キミと一緒に~

このまま帰ってしまうのかと思ったけど、どうやらそうではないみたい。

でも、全然話をしてくれそうにない。


このまま何時間も沈黙っていうわけにはいかないからどうにか話しかけようとしたとき「あのさ」という声が聞こえた。

それは裕樹の声で、どことなくピリッとしていた。


怖いっていうか、冷たいっていうか。

「なに?」


恐る恐る返事をしてみると私を見つめたまままた沈黙。

この調子じゃ本当に明日の朝になっちゃう。


「話てくれるんでしょ?違うの?」

「いや、話すよ。でも、本当に知らないからな。」


「なんなのよ、仁を悪く言うのが趣味なわけ?」

「なんでお前が怒ってんだよ。」

「裕樹がはっきり言わないからでしょ!」


別に怒りたいわけじゃないのに、どうしてもイライラしてしまう自分がいた。

早く言ってほしいのに、全然言ってくれないんだもん。

しかも、裕樹が言う言葉って仁を否定してることが多いって思うし。


だから余計にイライラって、なんで仁のことでイライラしてるのかよくわからないけど。


「なるべく手短に話すよ。」

「なんでもいいわ、早く話して。」


「そんなに怒んなって。」

「・・・はいはい。」


そして、やっとのことで話が聞けると思ったとき・・・タイミング悪く真咲が家から出てきた。


「あ、お姉ちゃん。」

「真咲、どうしたの?」


「お外で声がするから、お姉ちゃんかなって。」

家の中にまで聞こえてましたか。

と、なると真咲がここへ来た理由が大体読める。


「ママがね、お友達が一緒なら入ればいいって。」

「それは、ちょっと」


「もしかして、お姉ちゃんの!?」
「真咲!」


彼氏なんかじゃないです!

って、大声で言えない私もどうかしてる!


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