Together~キミと一緒に~

結局、本当に家まで送ってくれた裕樹。


「ありがとう。」

「ここ?」


「うん。遅くなっちゃったね。ほんとに、ありがとう。」

「いや、俺が勝手に来たようなもんだし。」


確かに、おっしゃる通り。

私は早く帰ってゆっくり休んでもらいたいって思ってたんだけどな。


毎日、あんな時間に学校に行ってるんだったらなおさらね。


「じゃぁ、帰る。」

「うん。じゃぁまた明日。」


「おう。」


そして、裕樹は今私たちが帰ってきた道を一人で帰って行った。

「なぁ!」


って、帰ったんじゃないんですか!?

声がした方向を向くと、こっちを向いて立ち止まっている裕樹の姿があった。


「なに?」


「神野先輩は本気でやめた方がいいぜ。」

「え?」

「じゃぁな。」


再び、歩き始めた裕樹はもう振り返りはしなかった。


裕樹の言っていた意味がよくわからなかった私は、部屋でもそのことを考えていた。



「仁はやめとけって・・・?」

友達をやめろってこと?

だって、それ以外に関係なんないわけだし。


あ、でもそういえば朝も「俺にしとけ」みたいなこと言ってたっけ?

って、あれは恋愛対象に・・・って、もしかして同じこと?


そっか、言葉を変えれば同じこと言ってたんだぁ。

友達をやめろとかっていう話じゃないわけか。


「恋愛対象としてやめとけってことね!」


・・・・・・?

そこまで言って体が固まった私。

そんな風に仁を見てないですよ。

そう、だよ。



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