私と君と、あの子。
 私は、雪斗に手を引かれるままに歩いた。


「ちょっと寄ってもいい?」

 
 そう言うと雪斗は、自分の家の中に入っていった。私も手を引かれるまま入った。

 雪斗の部屋の中に入ると、雪斗の臭いがふわっと広がって、安心できた。

 でも、心臓がドキドキと音を立てる・・・。なんか、緊張するなぁ。

 雪斗は自分のベッドに腰掛けると、横をぽんぽんっと叩いて私に座るように言った。

 私は、少し戸惑いながらも雪斗の横に座る。


「雪斗、なんで家に寄ったの?」

「ん、まだ帰したくなかったから。」


 雪斗はそう言うと意地悪な顔でニッと笑った。

 その顔に不覚にもドキッとしてしまった。雪斗って、かっこいいなぁ・・・。

 雪斗の顔、じっくり見たことなかったから分かんなかったけど、まつげ長いし、目だって大きいし、眉毛はキリッてしてるし・・・。


「なんでそんな俺の顔見てんの?」

「えっと・・・、そのぉ・・・、かっこいいなと思いまして。」


 私は恥ずかしくてうつむいてそう言った。

 うぅ・・・。絶対今、顔真っ赤だよぉ・・・。


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