私と君と、あの子。
【亮太side】

 俺の隣を、麻美が嬉しそうに歩く。

 優衣が幸せになるならと思って、俺は麻美を選んだ。

 だけど、やっぱり俺は、優衣が好きで・・・。

 麻美を好きになれると思っていた。だけど、俺の中の優衣が消えることはない。

 なあ、俺はどうしたらいい・・・?

 優衣の幸せの邪魔をしたくない。

 だけど、俺は優衣が好きだ。

 麻美のことを好きになれるように頑張ってるけど、優衣のこと諦められない。

 俺は、今、最低の行為をしているのかもしれない。

 優衣が好きなのに、麻美と付き合って・・・。最低だ。


「亮太君?どうしたの?」

「・・・・・・。」

「ねえっ。亮太君ってばあっ!」


 麻美に名前を呼ばれているのに気づいたのは、麻美に腕を掴まれた時だった。

 麻美は、少し拗ねたような顔をして俺を見つめる。

 麻美は、みんなから見れば可愛いのかもしれない。

 だけど、俺は優衣しか考えられないんだ・・・。


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