雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜

「それでいい」(3)

「ケンカでもしてるんですか?」
「いや、別に」


 チラリとユイに視線を送ると、彼女もこちらを向いてローザンに答えた。


「してないよ」


 ローザンは腑に落ちないといった表情で、首を傾げながら今度はユイに尋ねた。


「そうですか? ユイさん、元気がないですね。どこか具合が悪いんですか?」


 ユイは不自然なほどにっこり笑って、ローザンに言い訳をする。


「大丈夫、なんともないから。ちょっと生理痛なの」
「え……」


 ローザンは、絶句して気まずそうに俯いた。

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