雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜
「違うわよ。訊きたい事があるの」
「あぁ、今朝考えると言ってた事か」
「うん」


 やはりそんなわけはなかったようだ。

 自分が思った以上に落胆しているところをみると、ちょっとどころが、かなり期待していたようだ。

 それはともかく、真夜中にテラスで立ち話というわけにもいかないので、ユイを部屋に招き入れる事にした。


「入るか?」
「え……いいの?」
「ちょっと、散らかってるけどな」


 先ほどの会話から警戒されるかと思ったが、脇によけると、ユイはあっさり部屋に入ってきた。

 なにしろ最近は、風呂と寝るためだけにしか使っていない部屋だ。
 片付けているヒマなどない。
 十日ほど前から広げたままの機械部品や工具が、部屋中に散らばっている。
< 254 / 374 >

この作品をシェア

pagetop