雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜
 自分でも酷いと思えるほど散らかった部屋の様子を見て、ユイは呆れたようにつぶやいた。


「……ここ、研究室よりすごいんじゃない?」


 とりあえずユイの通路を確保するため、床に散らばったものを拾い集めながら、ソファまで歩いた。


「むこうは仕事で、こっちは趣味だ」


 ソファの上に無造作に放置されていた設計図をたたんでいると、ユイがロイドの作った通路を通ってソファまでやって来た。

 いつもはひとりの晩酌に、少し付き合ってもらう事にする。


「そこで待ってろ。おまえ、酒は飲めるか?」
「うん。少しなら」
「じゃあ、少し付き合え。机の上の物は端に避けておいてくれ」

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