雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜

 ラクロット氏は王宮内を駆け回って、殿下の行方を捜し回った。

 しかし使用人の一人が、昼食後に自室に入るのを見たと言うだけで、どこにも姿が見えない。

 そして、昼から出かけると聞いていたが、もしやと思いロイドの研究室にやってきたという。


「この事、陛下には?」
「いえ、まだ」

「では、ご報告申し上げた方がいいでしょう。私も一緒に伺います。何か力になれるかもしれませんし」


 ラクロット氏を促して、ロイドは共に国王陛下の元へ向かった。

 ご報告申し上げた結果、陛下の提言によりロイドの広域人物捜索装置で、殿下の捜索を行う事となった。

 そのためロイドは捜索責任者に任命され、指揮を執る事となる。

 何者かに連れ去られたにしろ、ご自身でお隠れになったにしろ、まだそれほど遠くへは行ってないはずだ。

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