雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜

 ロイドはラクロット氏と共に研究室へ戻り、メインコンピュータと広域人物捜索装置の電源を入れた。

 ラクロット氏から提示された殿下の写真と身体特徴データを入力し、装置の検索設定を行う。
 とりあえず居場所を特定するため、転送機能はオフにした。

 準備が整い、ロイドは早速検索ボタンを押した。
 装置がうなりを上げて、検索を開始する。

 作動直後、異変が起きた。

 装置のガラスの筒の中が、突如、眩しい光に包まれたのだ。
 これは転送の時に起こる現象だ。


「何?! バカな!」


 ロイドは慌てて数歩下がると、筒の天辺にある転送合図のランプを見上げた。
 ランプは点灯していない。


「どうかしたんですか?」

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