雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜
「ねぼけるな。それとも一夜にしてオレの事を忘れたのか?」


 ユイはロイドを見つめたまま、ぼんやりと考え込んでしまった。

 まさか本当に忘れてしまったわけではないだろう。
 ロイドは少しイタズラ心が湧いてきて、片手でメガネを外しながら顔を近づけた。


「思い出させてやろうか?」


 途端にユイは、ハッとしたようにロイドを突き放して叫んだ。


「覚えてるわよ! ロイド=ヒューパック!」


 するとユイの声に呼応するかのように、ベッドの上で小鳥がピッと鳴いた。

 ロイドはメガネをかけ直し、小鳥に目を向ける。

 ユイがロイドの名を呼んだ時に、小鳥は返事をした。
 という事は——。

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