雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜
「おい。あいつにオレの名前をつけたのか?」
「え?」


 ロイドが問いかけると、ユイはキョトンとした後、おずおずと小鳥に手を差し出した。


「……ロイド、おいで」


 小鳥はピッと一声鳴くと羽ばたいて、差し出したユイの手の平に着地した。
 ユイは苦笑してロイドを見上げる。

 一連の様子から、どうも自分で意識して名付けたわけではない事が分かった。

 小鳥を触りながら、自分の悪口でも言っていたのではないかと思うと、その原因が自分にある事は棚に上げて、ロイドは不愉快になった。


「どういうつもりだ」


 ムッとして見下ろすロイドに、ユイは苦笑したまま答える。

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