元恋人の甘い痛み【完】

「…っ…御免なさい…」

「謝る相手が違うな。それに俺は謝れとは言っていない」

「……昨日呼び出したのは私よ……パパの部下を使って……優里を陥れたの…」


掴んでいた顎を解放すると、麗香は腰を抜かしたのかその場にしゃがみ込んだ。


その様子を見ても悪いが、可哀想の一つも思わねぇ。優里に比べたら大した事はない。


「優里に何をした?」

「…お腹を殴って気絶させて…峠に連れてったわ……」

「それから?」

「立ち上がろうとする優里の背中を……蹴らせた…」

「…………」


…落ち着け。


…何を聞いても落ち着くんだ。
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