元恋人の甘い痛み【完】
「…私の父だったの」
『…成る程な』
「…お騒がせして御免なさい」
『お前が謝る必要ないだろ。こっちのミスには変わりねぇんだから』
「…ええ」
『優里?どうした?』
「え?何が?」
『元気がないな』
「…眠たいだけよ」
『…………』
「これから帰るわ。パスポートは明日でも良い?」
『ああ、構わない』
「会議頑張ってね。お疲れ様」
『ああ…お疲れ様』
通話を切ると、パスポートを鞄の中へとしまい部屋を後にした。