元恋人の甘い痛み【完】
何処が紳士で行くよ。朝方眠る時までは紳士だったけど、朝こんな風に寝ていたら紳士の欠片もないじゃない。


私が寝ていたのを良い事に、雷牙ベッドへ入って来たんだわ。


…今何時かしら。


「…………」


う、嘘……十一時!?


「ら、雷牙!起きて!」

「…ん」

「雷牙、大変だわ。十一時よ!寝過ごしてしまったみたい!早く用意して会社へ行かなきゃ!」

「…午後からの出勤で良いだろ。そんな事より優里、おはよう」


雷牙は暢気に私をぎゅっと抱き込んだまま頬へとキスを落とした。
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