元恋人の甘い痛み【完】

―――小一時間後。


お風呂が出来てからトイレに駆け込み、かれこれ四十分程こもってる気がする。


「お前はいつまで入ってるつもりだ」

「貴方が諦めるまでよ」

「ならずっと入る事になるな。トイレで寝るつもりか」

「も、勿論!」


絶対に負けない。いつもいつも一枚も二枚も上手なんだから今日は絶対に負けない。


雷牙は諦めたのかドアの向こう側に雷牙の気配を感じなくなった。


と、その時。


……ガチャ。


「…え」


鍵が開いた?


う、嘘!?
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