元恋人の甘い痛み【完】

かれこれ二時間程話して喫茶店をでる。


「…優里」

「ど、どうしたの?」


隼人は突然私の身を抱き締めた。


「こんな身勝手な俺なのに快く会ってくれて有難うな。嬉しかった」

「身勝手だなんて思わないわ。いつでも大歓迎よ」

「優里も幸せになってな」

「ええ、ありがとう」


隼人は私の身を離した途端、背後から聞きなれた声が鼓膜を揺らした。


「何してんだ」


私は恐る恐る振り向く。


そこには雷牙が立っていた。
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