元恋人の甘い痛み【完】

雷牙の部屋へと入って直ぐ、雷牙は再び私の身を抱き締めると耳元で低く囁く。


「…二人で暖まろうな」

「…え。それってお風呂って事?」

「残念、ベッドでだ」

「…えぇっ!」


雷牙は私の着ていたコートをその場で脱がせ、唇に幾度もキスを落とす。


こんな雨で濡れたまま雷牙となんて、嫌に決まってるじゃない。雨臭い女だと思われたくないわ。


「…ま、待って……シャワー浴びさせて」

「待てない、悪いな」


いつの間にスーツへ手を掛けていたのだろうか、あっと言う間に前が開かれていて驚いた。


流石と言うか何と言うか。
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