元恋人の甘い痛み【完】
食品売り場にて合挽きミンチ肉を始め、玉葱などの野菜を買い進めて行く。
ジュオールの社長が買い物篭を持ってお買い物なんて、きっと誰も想像出来ないわよね。
私でさえ、その姿を見て思わず笑ってしまったんだもの。皆、想像出来ない筈。
「雷牙ってよくこうして買い物するの?」
「いや、あまりしないな」
「それにしては様になってるわね」
「それは褒めてるのか?」
「さぁ、どっちでしょう」
「褒めてる事にするか」
雷牙はふっと笑った。