As Time Goes By ~僕等のかえりみち~







「ロド~、お前ちょっと太った?」





早朝の公園。




缶コーヒーを片手にベンチに腰を掛けて……






わしゃわしゃと、ロドリゲスの身体を撫でる。






「……ごめんな。ロクに散歩もできてねーもんな。お前ばっか運動不足か。」




その大きな身体でのしかかってくる愛犬は…



最近、ちょっと太り気味。




昨年までは、祖母がマメに散歩に出てくれたけど……、



今は、以前のように構ってあげられる相手がいない。




犬嫌いな親父に頼るわけにもいかず……、



結局の所、俺ひとり……。







そんなことは我関せず、というように。




外を歩けばパタパタと尻尾を振って喜んでくれるのだから……、



俺もまた、惜しみない愛情を返す。







「お前もそろそろ故郷が恋しくなったろ~?」





呑気に吠える……ロド。






そんな郷愁は……



こいつにもあるのだろうか。









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