As Time Goes By ~僕等のかえりみち~
化けの皮が…剥がれた瞬間。
見えて来たのは……
中道くんに負けず劣らず一途な…ココロ。
そもそも。
私みたいな我が儘な女をずっと好きで居られるんだから……
ある意味……デカい器の持ち主じゃない?
「私……、明日帰るけど。」
「え。どこに?」
「……只今ロンドンにお花留学中ですから。」
「………そっか。なら…頑張れ。」
「………。コラ!」
「何。」
「アンタはいつもここっていう時の勝負に弱い。野球も、柚とのことも。相手がチャンスを与えてもそれを蔑ろにしてきたから…成就しないんだよ。」
「……だから?」
「え。『だから』?」
待て待て。
ついさっきまで…散々弱み見せてた癖に?
何故今……
元のクールなアンタに戻る?!
やっぱりアンタは…くせ者。
全く……、柚が言うように、一筋縄じゃあいかない男だわ。
「だから……、今、私がチャンスを与えてるのに。『帰って来い』っては…言ってくれないの?」
何でアンタなんだろうって思う。
けど……。
恋人ではなくて、
友達でもなくて、
それでも……
無二の存在なのだから、仕方がない。