アルバと風の世界
アルバは愕然としながらも考えていました。
そしてはっきりと「大丈夫さ。まだ、半年あるだろ。ラキアが
風の世界に戻るまでに、僕は僕の羽を作って、いっしょに
いくよ。うん。僕は発明家だから。作れるさ」自分自身に
言い聞かせるように言うのでした。

そして「だから、ラキア、待ってて。間に合うから。ラキアだけを
危険な目にあわせたりしないから」といいます。

聞きながらラキアは「いや、アルバ、作らなくていいよ。
僕は、ちゃんと役目を果たしたら、戻ってくるからさ。
夕焼けの世界でのんびり暮らすよ。心配ない。
アルバがもし、僕といっしょに行って、怪我でもしたり
戻れなくなったら、僕は連れて戻れないし
それに、ルシアに会えなくなるよ。君はルシアの側に
いるべきだよ。ルシアを守ってあげるんだ。」
なぜか、泣きそうな声で言いました。

アルバは「いやだよ。僕の予想マシンが教えているよ。
羽を作っていっしょに行くんだって・・そうしないと
ラキアが危険だってこのマシンが言ってるんだよ」
アルバの発明品の予想マシンが傍らで何やら
しゃべっています。

ラキアは「そのマシン、はずれることも多いじゃないか~
この前、僕とルシアが結婚するって予想してたよ。
考えられないだろ。」無理やり笑いながら言いました。
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