愛し

-Ⅰ-

「はあ!!?」

都内にあるスターバックスコーヒー店内に、一際甲高く不機嫌な声が響いた。

それはもう、周囲の客から一斉に注目を浴びるほどのもので。外を歩いていたサラリーマンがタイミングよく躓いたのも、もしかしたらこれが聞こえたからではないだろうかと結衣は考えてしまった。

そんな結衣とは対照的に、お気に入りのキャラメルフラペチーノの容器を今にも握り潰してしまいそうな真白には窓の外を見る余裕さえないようだ。

馬鹿男一号こと陽平に公園で再会してしまったあの朝以来、ご機嫌が斜めどころか真横を向いていた真白に、お茶でもしようと結衣から誘いのメールが届いたのが今朝のこと。

あれから三日も経つというのに怒りが収まらなかった真白は二つ返事で了承した。女同士、ぱっと騒げばスッキリすると思ったからだ。

それなのに…。たった今、彼女の発した言葉は怒り増幅スイッチのようなものだった。

「もう一回言ってもらえる?」

眉間に思いっきり皺を寄せながら、右手の人差し指でとんとんとテーブルを叩く。どちらも苛ついている時の真白の癖だ。付き合いの長さから慣れているといっても居心地の悪い雰囲気に結衣はつい視線をさまよわせてしまう。

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