私と彼の物語




わかることが増えると、興味もたくさん湧くわけで

手話で説明できる範囲外のことまで聞いてしまっているのだろう

お母さんには、作り笑いというか苦笑いが増えた



ある日、お母さんが具合が悪いからと言って、おばあちゃんと病院へ出かけて行った

それは太陽がギラギラ照りつける真夏の昼間だった

汗が次々と流れ出るのを、手で拭きながら、扇風機の前で絵本を読む


おじいちゃんがニッコリしてアイスをくれた

おじいちゃんは手話ができないから、まだ一度もお話したことないけど、すごく優しい人だとは、見た目と行動で伝わってくる







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