【完】プリンセス
「心菜が恥ずかしいって言うからさ?
こっちの方が恥ずかしいっしょ?」
口をパクパクさしてるのは、わかった。
こんな言葉で誤魔化したけど……正直俺も恥ずかしかったりして。
でもさ?
ちょっと、頬っぺたにキスしただけでこんななってたら、この先……どーすんだよ?!
てか、キスした事あるじゃんっ!
「信じらんないっ!」
って先に歩き出した。
だけど、追いかけない俺。
だって……
「うーーー」
変な声を出しながら戻って来たし。
「ほら、だから腕」
また、俺の腕に絡みつく心菜の手。
それを見て、つい笑みが零れる。
「何か……陽呂キャラ違うし!」
「俺は、元々こうです」
心菜の前だけ……紳士だったんだろ?
でも、もう止めたからな?
心菜に悪い虫でも付かれたら洒落になんねーしな?
俺を、そうしたのは……お前なんだから。